福岡市東区「Real Jam(リールジャム)」無添加のやさしさと循環型のパンづくり
2024年12月26日

自家製天然酵母を使用した、無添加で身体にやさしいパンづくり


ベーシックな食パンをはじめ、40種類ほどのパンやスウィーツをつくっているとのこと。『海の中道あんぱん』や本葛を使った『本葛シュークリーム』など人気商品も多数。
「いらっしゃいませ〜」の元気な声と美味しい香りが迎えてくれる街のパン屋さん。
労働大臣認定パン一級技能士の資格を持つオーナーシェフ・田中裕昭さんはホテル時代から35年変わらない味を追求。自家製天然酵母を使い、地産の素材を中心に使った無添加の身体にやさしいパンやスウィーツづくりを手がけている。
作りすぎない工夫と、残ったパンも無駄にせず食べてもらえるように

店頭の自動販売機にはパンの耳が並ぶことも。「『あまりにも安いのでパンの耳は自動販売機の方が買いやすい』というお客様もいらっしゃいますね(笑)」とのこと。

定価でもリーズナブルなのだが、『冷蔵パン』は超破格値だ!
日々のパンづくりの中で、その日にどんなパンがどれだけお客さんに求められるのかを予想することは難しいが、田中さんは冷蔵生地や冷凍生地なども活用することで、お客様のニーズに応えつつ、できるだけ無駄が出ないように調整しているそうだ。
しかし、どれだけ無駄のないパンづくりを目指しても、商品が売り切れずに残ってしまうことは避けられないこと。そこで田中さんが以前から設置しているのは、売れ残った昨日のパンを破格値で販売する冷蔵スペースだ。店舗の前には自動販売機が置かれており、そこでも販売。店休日の前日に残ったパンも廃棄されることはない。
製造中に少し焦げてしまったりして店頭に並べることができないパンや、サンドイッチなどをつくる時に切り落としてしまうパンの耳は、オープン当初から『海の中道海浜公園』に運ばれ動物たちの餌にもなっているとのこと。また、パンの耳は店内と店舗前の自動販売機でやはり破格値で販売されている。田中さんがつくった物はすべて食され、命を支えているのだ。

「『海の中道海浜公園』では、リスザルたちの好物みたいですね(笑)」というパンの耳。
捨てるのではなく、生かす!余すことなく大地へ還元する循環型スタイル

福引きに使うような六角形の箱の中に生ごみを投入して手動で一回転。やがて生ごみは堆肥に姿を変えて土に返る。
惣菜パンなどをつくる時に発生する野菜の切れ端や皮などの生ごみは店舗裏のコンポストマシンへ。できあがった堆肥は、食→コンポスト→回収→菜園→販売のサイクルを手がける近くのNPO法人『循環生活研究所(https://www.jun-namaken.com)』へ。
そして、そこの菜園で育てられた野菜を使って《Real Jam》のパンがまた生まれる。
ご自身がつくったパンに対しても、パンづくりに関係する食材に対しても極力ロスが出ないようにしている田中さん。
「まだ食べられるもの、利用できるものを捨ててしまうのはもったいないという想いからですね。私が貧乏性だからなのかもしれませんが(笑)」
また、洗い物に使って汚れた水は樹木への水撒きなどに使い、下水には極力汚れた水を流さないといったことにも気を配っているとのこと。
そんなやさしい想いはきっとパンの味にも伝わっているはずだ。

Real Jam(リールジャム)
住所/福岡市東区三苫3-15-1
電話/092-605-6450
営業/8:00~18:00
休み/月・火曜
Real Jam(リールジャム)のホームページはこちらから(外部リンク)