福岡市中央区「ethnico(エスニコ)」未利用魚の有効活用で「もったいない」をなくし、お客様にも圧倒的コスパで還元
2025年01月14日

世界各国の民族料理をベースに 和テイストも加えたエスニック料理店


2024年7月にオープンした《ethnico(エスニコ)》は国やジャンルに捉われない様々な国のスパイス・ハーブを使った料理を提供している。メキシコ、モロッコ、タイ、中国などの世界各国の民族料理をベースにしながら、特製の柚子胡椒を合わせるなど和テイストも加えた味わいを楽しめる「ニューエスニック酒場」だ。

店内も廃材を再利用するなどして資源を大切に活用している
志賀島で知った「未利用魚」を 活用してお客様に食べていただきたい!

「志賀島の漁師さんたちと出会って9年ほど。水揚げや仕分けのお手伝いをしたり、船に乗せていただくこともあるんですよ」と斎藤さん
使われている魚はすべて志賀島から毎日取り寄せたもの。少しの傷がついているなどの理由で市場に出すことができない「未利用魚」も多く使われている。「地元の美味しい食材を使いたいと考え、近郊の港を訪ねる中で志賀島に行き着き、様々な魚種が獲れることを知りました。そして、漁師さんたちと出会いお手伝いをさせていただく中で、傷などの規格外や取れすぎで廃棄されてしまう魚がたくさんあることも知ったのです。規格外と言っても新鮮で味は変わりません。漁師さんたちががんばって獲ったものなのにもったいない、なんとか活用してお客様に食べていただきたいと思ったのです」と、店主・斉藤裕輔さん。


志賀島漁港でとれた魚だが、少しの傷などで出荷できないものを未利用魚として活用している。

日々魚種が変わる糸島鮮魚のカルパッチョやハーブ焼きなど人気の定番メニューの他、あまり馴染みのない魚が登場することも。「ハンマーヘッドシャークは『フィッシュ&チップス』にすると身がふわふわで美味しいし、ミノカサコは白身でプリプリ、ブリの内臓をゆでて酢モツのようにしたものもありますね。お客様にも楽しんでいただけているようですし、漁師さんたちにも喜んでいただけているようでうれしいですね。漁師さんたちと、『珍しい魚が揚がったら斎藤さんのところに持っていこう』というような関係性が生まれているのもありがたいことです!」。
自然な流れの中でたどり着いた 『食べ物を大事にしよう』の想い
「未利用魚」の活用に加えて、通常のポーションは2〜3人前だがお一人様にはハーフサイズの案内をすることなどでもフードロス削減を心がけている斎藤さん。お客様の食べ残しはほぼゼロなのだそう。しかし、今のスタイルは初めからフードロスを削減することを目的として始まったわけではないとのこと。「美味しい魚を探す中で出会った漁師さんたちとのつながり、その中で知った『もったいない』、改めて強くなった『食べ物を大事にしよう』という想い。誰もが実感すればそうなるはずの自然な流れなのだと思います」。
斎藤さんは現在、フレンチトーストとカフェオレの専門店オープンに向けて準備中で、規格外のフルーツを使うことができないか検討しているとのこと。私たちが知らないところで発生しているフードロスを少しでも減らすために奮闘中だ。

ethnico(エスニコ)
住所/福岡市中央区大名2-1-50 ONOビル2階
電話/092-751-2189
営業/12:00~15:00/18:30~24:00
休み/日曜
エスニコのInstagram(外部リンク)