福岡市博多区「カフェラウンジ 四季のいろ」処分していた端材活用から生まれた商品が人気メニューに
2025年03月03日

福岡市博多区「カフェラウンジ 四季のいろ」
福岡市博多区千代に本社を置き、不動産事業、保育事業、人材事業などを手がける「株式会社ラグジュアリー」が2022年に開業した「コワーキングスペース 四季のいろ」。建物の1階にはコワーキングスペース利用者はもちろん、誰でも利用できる「カフェラウンジ四季のいろ」があり、ビジネスパーソンから近隣の人々、親子までさまざまな利用者で賑わっています。今回は、広報を担当する黒木曉さんに食品ロス削減の取り組みについて聞きました。

「カフェラウンジ四季のいろ」では、どのような食品ロス削減の取り組みを行っていますか。
主に端材や規格外品の有効活用を行っています。きっかけは、当店を代表するメニューのひとつ、野菜がしっかり摂れるトーストサンドを作る時に余る食パンの両端の耳を活用できないかと考えたことです。

東区「FullFull」さんの湯だね食パンを使用していて、耳自体もおいしいのでコロッケの衣に使ったりしていたのですが限界があり、すべてを消費できていませんでした。そこで調理のスタッフが考案したのがパンの耳を生地に使用するキッシュです。一般的なキッシュはパイ生地を使いますが、当店では細かくしたパンの耳にバターや牛乳を混ぜて生地を作っています。さらに、もうひとつの人気メニュー、スパイスが効いたフライドチキンに使用する鶏肉のサイズが合わないものや切れ端をキッシュの具材に使用することで、2つの食品ロス削減が実現しました。


食品ロス削減を目的に考案したキッシュですが、いまでは端材のパンの耳では賄えないほどの人気メニューとなり、多くのお客さまに召し上がっていただいています。食品廃棄も圧倒的に減り、調理スタッフも作っている立場として気持ちよく仕事ができると言っています。また、このことをきっかけに、いまあるものをなるべく活用してお客さまによろこばれるものを考案するという意識がスタッフ全体に高まっていることを感じています。
そのほかに、食に関する取り組みを行っていますか?
毎月第1土曜日にこども食堂を開き、約30名の方にご利用いただいています。もともとカフェラウンジの1周年企画として地域への還元の意味を込めて行ったところ好評だったため、定期的に開催して約1年半になります。1回目の時には“未利用魚”と呼ばれる水揚げされながら市場に出回らず、食品ロスの一端になりかねない魚を使用したメニューを提供しました。


また、コワーキングスペースの利用者さまとの繋がりから粕屋町に広い畑を借りることができ、自社で野菜の生産を始めました。当社が千代、吉塚、舞鶴で運営する「四季のいろ保育園」のこどもたちの農業体験を行うほか、畑で採れた野菜をこども食堂やカフェで利用しています。保育園のこどもたちはとても楽しそうに土に触れていますし、収穫だけでなく育てる経験は食育にも繋がると考えています。
たくさん収穫したタマネギを消費するために考えたオニオンフライも定番商品になるなど、畑があることでカフェラウンジのメニューも充実しました。また、自社で作った野菜はより一層むだなく使うという調理スタッフの姿勢を感じています。
今後の取り組みについて教えてください。
これからも店舗全体で廃棄ゼロをめざして食品ロス削減に取り組んでいきます。また、創意工夫することによりお客さまによろこばれる商品を生み出し、スタッフの意識向上に繋げることができればいいですね。また、カフェラウンジやコワーキングスペースを利用する方や地域の方と一緒に食品ロス削減や食育について考えていく機会を設けたいと思っています。


カフェラウンジ四季のいろ
住所:福岡市博多区千代4-4-16
電話:092-409-9422
URL:カフェラウンジ四季のいろのHPはこちらから(外部リンク)
カフェラウンジ四季のいろの店舗情報はこちらから